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色彩トップインタビュー

経営コンサルタント谷田大輔氏にヨシタミチコ理事がお話を伺いました。

タニタを世界一に育てた経営手腕で企業の成長を請け負う

「タニタ食堂」で有名な株式会社タニタを体重計で世界ナンバーワンの企業に育てた経営視点

ヨシタ 現在、経営コンサルタントとして様々な企業にアドバイスをしていらっしゃると思います。経営コンサルタントの仕事をするうえで、大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

谷田 私のタニタでの成功譚をそのまま当てはめようとしてもうまくいきません。まずは、その企業の持っている力、技術を徹底的にヒアリングして、それを生かす方法を考えます。実は、経営コンサルタントを始めたばかりの頃は、「経営だから、どんな会社でもそれほど違いはないだろう」と思っていました。しかし、それは間違いでした。会社は、それぞれ全く違った考え方の下で動いています。ですから、その会社の持つ商品やサービス、生産体制、マーケットの状況をよく調査する必要があります。
経営者というのは、それぞれ自分のやり方を持っていますから、アドバイスを受け入れてくれないこともあります。ですから、話を聴きながら、いくつも方向性を示していき、「自分が経営者だったら、こうする」という方法を伝えていくようにします。
また、私がコンサルタントとして経営に関わる場合には、必ず社内の人を一人つけてもらうようにしています。
全部社外の人だけのコンサルタントチームにしないで、社内の人を巻き込むこと、そして、やはり、新製品開発や、企業戦略を決めるメンバーとは、よく話し合うことが大切だと思っています。
会社が赤字の場合は、比較的こちらの意見を聴いてもらえるのですが、黒字事業に変革を起こそうとすると、どうしても抵抗があります。うまくいっているものを変えるのは、とても難しいことです。そういうときは、私も熱が入りすぎて、自分が経営しているような気持ちになることもしばしばです。

明るい話をしようと思って口にした「タニタのヘルスメーターを売上世界一にする」という言葉

ヨシタ どんな分野でも「世界一」になるというのは、本当に難しいことです。「ヘルスメーターで世界一になろう」と決めて、それを実現したことが、素晴らしいと思います。

谷田 「世界一」というのは、タニタ時代に2つの事業をたたんだとき、お正月だから明るい話をしようと思って言ったことです。世界一とは言いましたが、当時、実際にタニタが世界で何位かも知りませんでした。
でも、実際にそこから世界一を目指していこうと、同業者を調べることから始めました。同業他社の経営者の方にもいろいろな話を聴きました。そして、そのとき決断したのは、「誰もやらないことをやろう。誰も行かないほうへ行こう」ということでした。

タニタが作った「ヘルスメーター」「体脂肪」は、知恵のある人の意見を聴くことで生まれた

ヨシタ  タニタ時代に作られた「ヘルスメーター」「体脂肪」などの言葉は、現在、一般的に使われる用語になりました。

谷田 会社組織の中には、いろいろな知恵を持った人がいます。企業戦略の会議でも、いつも同じメンバーではなく、違ったタイプの人を入れながら話し合うほうがいいのです。
大切なのは、「最先端」に触れることです。タニタでは、体重計を生産する事業と並行して、ベストウエイトセンターという事業を行っていました。
その事業のなかで、私は医師や栄養士がどんなふうに指導するのか観察したのです。そんな中で、医師が言った「肥満というのは体重ではない。脂肪が重要なのですが、タニタの体重計では脂肪は計れない」という言葉に、ショックを受けました。

ヨシタ 肥満は単なる体重が軽い、重いではないんですね。脂肪を測らなければ、肥満かどうかわからないということだったわけですね。

谷田 その当時は、脂肪の量を測るなんて、まだ知られていない時代です。でも、最先端の技術では、体の中の脂肪を測ることができるという。そこから、「体脂肪計」や「体組成計」が生まれていきました。
また、この施設で出していた食事を社員食堂でも出すようになったのが、「タニタ食堂」の始まりです。
最初は、肥満気味な人や血圧が高めの人だけを対象にしていましたが、次第に全社員をまかなえる社員食堂へと変わっていきました。
私は、食堂で実際に食事を作る管理栄養士さん、栄養士さんたちをプロとして信頼して、メニューを作ってもらいました。その結果、社員食堂の現場も、とてもやりがいのある職場というようにとらえてもらったように思います。

withコロナでは、インターネットをいかに活用できるかが、カギになる

ヨシタ れまでに経営支援された企業には、1億円の赤字企業を上場までもっていくなどの事例もあり、強い情熱がなければできない仕事のように思えます。現在も、コロナ禍により厳しい状況にある企業がたくさんあると思いますが、企業がV字回復していくために必要なことは、何でしょうか。

谷田 今の時点では、V字というのは難しいと思います。どうやって現状維持していくかを必死で考えなければいけない状況です。ただ、インターネット上で事業を行うことは必須になってきますから、どのようにサイトを構築してビジネスをするか、その技術を磨く必要があると感じています。
また、テレワークもさらに広まっていくと思います。その時に、いままでの別荘地を仕事場として活用できないかと考えています。自然豊かな別荘地で仕事をすることも、今の技術なら可能です。そういう事業に優遇税制をするなどの政策があれば、もっと広がっていくのではないかと考え、自治体に提案しているところです。

人生100年時代「脳がもう十分だ」と思ってしまわないように「何かやりたい」と思い続ける

ヨシタ 今後の活動のなかで、新しく計画していらっしゃることがありますか。

谷田 76歳の時に今の会社を立ち上げました。人生100年時代の生き方として、年齢で制限するのではなく、働きたい人はいつまででも働ける世の中になってほしいと思っています。定年は延長でなく廃止してほしいと思います。年齢を重ねることが好いことになるように、その成功事例を作りたいと思っています。
いくつになっても「脳がこれでもう十分だ」と思ってしまわないようにするのがいいと思います。仕事でも趣味でもなんでもいいので、「何かやりたい」と思い続けることが大事です。

ヨシタ 日本色彩環境福祉協会では、「色でしあわせ」をキーワードに、色彩を通じて福祉を実現することを目指しています。さまざまな企業活動のなかで、色について思い出やエピソードなど、お話いただけますか。

谷田  私の着るものは、妻が全部用意してくれます。彼女は色についてとても詳しいので、私に似合う色はこれというようにコーディネートしてくれます。似合う色を着ていると、気分がいいですね。色が気持ちに作用することが、よくわかります。

ヨシタ いくつになっても自分が何ができるか考えて生きる、チャーミングな生き方をしていたいですね。今日は、ありがとうございました。

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