色彩カフェvol.4「セラピストになるには訓練が必要。でも、それは苦しいものでなくていいはず」

カラーセラピーの講座をしていると、
「どうしたらカラーセラピストになれるのか?」という問いによく出会います。

色彩心理とか、セラピー技法を習得することはもちろん必要なのですが、それと同様に重要なのが相談者の話を聴くことができるかどうかということです。

協会が認定するカラーセラピスト講座では、カウンセリングのスキルも身につけるようになっていますが、「セラピー」を名乗る以上、やはり話を聴く「傾聴」の姿勢はしっかり身につける必要があると思います。

ただ、この「傾聴」も聴き方の技術だけが独り歩きして、「上手な傾聴」みたいな話になると、私は「ちょっとどうかな?」と首をかしげたくなってしまいます。
というのも、傾聴の善し悪しを決めるのは、話を聴いてもらった相談者のほうじゃないかと思うからです。

カウンセリングのトレーニング…。
実は私もいくつかの流派を標榜するトレーニングを受けたことがあるのですが、そこで感じたのは
「トレーニング自体が苦しかったらダメだ」ということです。

「セラピストになりたいから、カウンセラーになりたいから、ちょっとくらい苦しい訓練でも我慢して乗り越える」ということが、本当に必要なんだろうか??

あるトレーニングでのこと、そこでは傾聴の仕方が非常に細かく決められていて、私のちょっとした言葉づかいひとつひとつにダメ出しされるという経験をしたことがあります。
それは、本当につまらなく、嫌になる体験でした。

言葉尻をとらえてダメ出しするのが、そこのやり方だったようで、学びに来ていた人もだんだんとそのやり方(ダメ出しすること)を身につけていく。だから、そこでは、みんなが互いに相手のダメなところを見つけてはダメ出しするという光景が繰り広げられていました。
結局「ああ、こうすればいいんだな」という感覚も得られず、嫌な気持ちだけが残る、そういう訓練でした。

私は、こころを癒やすはずのセラピーに関することが、こんな風であるのはつまらないなとつくづく感じました。

セラピーは、相談者がたまたま持ってしまったセルフイメージに変化をもたらし、自己肯定感を高めることが目標です。ですから、そのセラピーを身につける過程であっても、それぞれの受講者が等身大の自分を受け止めることができるものであるのがいいと思うのです。

こころを軽くするためのカラーセラピーは、穏やかな日差しのなかにいるような感じがいい。学んでいる間も、そういう感覚をあじわってほしい。そして、そういう感覚を他の人にも抱いてもらえるようなサポートができたらいい。そんな風に考えています。

いくら学びの場だといっても、セラピーを学ぶのに苦しい必要はないのじゃないか。むしろ、学びの場で「自分が自分のまま受け入れられた」という経験こそがセラピストになるうえで大切なのじゃないかと私は思っています。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。(田口さつき)

※この連載は、協会の認定校カラリストスクール・ワムI.C.Iでも掲載しています。

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